南房総・鴨川市天津鎮座 | 源頼朝公が伊勢の神宮より御分霊を勧請し創建された八百余年の歴史をたたえる神社

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房州伊勢の宮 天津神明宮 三月の神訓   気負わず 気取らず 無理をせず
禰宜日記
〔2018/01/31〕 自然を征服して自然エネルギーを得るなんて…
いま鴨川市ではにわかに、鴨川有料道路の西側に広がる広大な山林に計画されているメガソーラー発電所計画が話題となっている。
私は太陽光発電自体には反対ではないが、推進してきた関係者各位には申し訳ないが、今回のこの事業計画には反対の立場を明確にせざるを得ない。

反対する方々はさまざまな理由をあげ、根拠を示しているが、私はそもそも、地球環境に優しいエコな自然エネルギーを得るために、広大な山林を伐採するなど、本末転倒と言わざるを得ない。

3・11以降、原子力発電から卒業して自然エネルギーに転換しようという世論が強くなっているが(私ももちろんこの考え方だが)、だが、闇雲な自然エネルギー利用については同時に警鐘を鳴らさざるを得ない。
太陽光発電については発電効率が他の発電方式と比べて、まだまだ高くないことに加え、パネルの耐用年数もあることから、実は十数年〜数十年後には大量の産業廃棄物が発生すると言われている。また、世界からは日本で無秩序に太陽光パネルが設置されていくようすに本来の景観を壊していくものとして嘲笑されているところもある。
ほかにも風力発電には低周波騒音問題、日本で実は一番有望視されている発電方式の一つである地熱発電には有害物質の発生という課題がある。

原発事故や核廃棄物によって何万年、何十万年も放射能汚染にさいなまれることを考えれば、はるかにマシかもしれないが、しかしながら、どんな事業を推進するにしてもさまざまなことを勘案しながら、慎重を期すことは必要なことである。

いずれにせよ、すでに開発されている場所、例えば、採石場の跡地にソーラー発電所を作るならまだしも、生い茂っている山林を伐採して“環境エネルギー”を標榜するメガソーラー発電所を作るなんて、そういう発想が出てきてしまうことが全く理解できない。

まさに西洋的というか、「自然を征服する」という概念、あるいは今が良ければ全て良い、金が儲かれば良いというような“経済”至上主義的な発想に基づくものであり、古来我々日本人が大切にしてきた自然への畏敬の念、大自然の恵みをいただくことへの感謝、謙虚さというものを微塵も感じさせない事業計画であると言わざるをえない。(そもそも私は経済の本来の意味を忘れた、現代の多くの経済人を“経済人”とは称したくないが……)
未来の子孫たちに対する犯罪行為と言っても過言ではなかろう。
それを推進した人たちだけでなく、それを許した我々も末代までの恥と揶揄されることだろう。

中には、メガソーラーにも反対で、原発にも反対じゃ、電気使わなきゃいいだろ!という乱暴な主張をする人もいるようだが、その方々は勉強不足と言わざるを得ない。

原発稼働がゼロになった時、確かに電力会社の節電の呼びかけ、それに協力した国民の努力もあったかもしれないが、電力不足による停電はほとんど起こっていないのだ。
つまり、原発ゼロでも電力は十分に足りるのだ。
さらに、発電効率の良いコンバインドサイクル火力発電などを整備することによって、余剰電力も生み出せると言われている。

そもそも私は計画停電など、節電キャンペーンを大々的に張った電力会社に対しても懐疑的だ。
原発ゼロでは電力は足りる、ということが明るみになることを恐れ、原発がなければ電力が不足するという恐怖心を煽り、やっぱり原発がなければだめなんだ、というプロパガンダキャンペーンであったと言える。(まぁ、それもバレちゃったけど……)
なぜ疑問に思ったのかは、いろいろと知るに連れ、多くの工業機器や電化製品が省電力化されている中で実は我々の消費電力は少なくなってきているのではないか、ならば、別に原発をバンバン建てて発電量を血眼に増やす必要はないのではないか、十分に電力は足りるのではないか、ということである。

この問題で仮に地域が真っ二つに対立するとすれば、それは残念なことである。
和を以て貴しと為す、是々非々の気持ちで、故郷の未来にとって我々が為すべきことは何なのか。そこをみんなでもっと真剣に考えたい。

推進派、中立派、反対派、全てのみんなの良心を信じたい。


[WALK:-]

欠けてきた
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皆既月食の状態
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株祭り:これにこそ、日本人の自然に対する概念が伺える
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− 2021年7月29日 17時21分 更新 by やまちゃん

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