南房総・鴨川市天津鎮座 | 源頼朝公が伊勢の神宮より御分霊を勧請し創建された八百余年の歴史をたたえる神社

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房州伊勢の宮 天津神明宮 三月の神訓   気負わず 気取らず 無理をせず
禰宜日記
〔2019/09/13〕 被災5日目:兼務神社巡回
被災5日目。
発災から気がかりだった兼務神社の被災状況を確認に、今日はお昼前後の時間をつかって長男と市内をまわった。約30の神社をまわり、距離も結構あるので、3時間半くらいかかってしまった。

神の御加護か、幸いにも、本殿倒壊などの壊滅的な被害を受けた神社はなかった。(まだ数社まわれてはいないが)
その中でも被害が比較的大きかったのは、大里・八幡神社、大浦・八雲神社の2社。
大里・八幡神社では倒木が灯籠や社殿を直撃し、灯籠は倒れ、社殿には樹木が乗ったまま手つかずになっていた。これは数日かかりの復旧作業が必要となりそうだ。
大浦・八雲神社は境内の樹木がことごとく倒れ、暴風の威力を改めて感じた。氏子さんたちが目下片付けを行っていて、この災害にも負けない地元の力を感ずる。中には社殿方向に倒れた樹木もあったが、間一髪社殿をかすめた程度でおさまっており、氏子さんたちも「神様の御加護だ」とおっしゃっていた。(この状況でポジティブな考え方ができるのが、やはりすごい!)

社殿への被害はないにせよ、参道が倒木や落ちた枝葉などで荒れているところもあり、また高齢化率も高い地域であるので、そういったところに助勢が必要であると感じた。

ただ、致命的な被害がなかったということを考えると、うちの神社が管轄している鴨川市の海沿いの地域は、やはり神社も被害報告がある東京湾側と比べると暴風の強さは比較的やや低かったのかもしれない。

神社へ戻ると、境内では複数団体による、焼きそばや冷えたドリンクの提供、水・非常食などの配布が行われていた。
こちらは行政ではなく、あくまでも民間の方々の手によるもの。
境内を場所として提供し、神社職員、家族も協力した。
東日本大震災でもそうであったが、やはり災害時においては地域の社寺が一つの重要な拠点としての役割を果たすし、氏子のみなさんの心の拠り所でもある。
私も改めてその役割を自覚した。

その後、私は有志とともに、いまなお停電・断水の続く、清澄・四方木地区に水を届ける。
この地区には配給ポイントもなく、ふもとまで下りなければならず、お年寄りには現実的には不可能だ。
特に四方木地区では固定電話も、携帯電話も通じない状況。

清澄に到着すると、この状況を鑑みてか、市役所の方々もふもとから物資を運んできてくれていた。こちらも実にフレキシブルな対応。昨日あたりから始めてくれているみたいだ。

ただ、一方で区長さんの話では、地区の中でもお年寄りはなかなか歩いて外に出ることもままならないので、できれば、一緒に物資を各戸に配ってくれる人の力があるとありがたいと話していた。
そこに災害ボランティアを投入できれば……。

今日もあっという間に時間が過ぎ去り、日暮れに。
天津地区は一部で停電が復旧してきているというが、我が家は5日目の真っ暗闇の夜を迎えた。

清澄への登り口では東北電力から支援に来た作業車が止まり、電線に引っかかった倒木の除去作業を必死に行っていた。
青森、八戸というナンバーの車が次々にやってくる。
なんだか胸が熱くなった。

そして、午後9時過ぎ、今日もまた闇夜の中過ごすのか、と半ばあきらめかけていた頃、突然辺りに電気がついた。
電気キターーーーー!
ありがとう、東京電力!ありがとう、支援来てくれた全国の電力会社の方々!!

停電が復旧したことで、我が家は電気、水道、電話、全てのライフラインが復活したことになる。
これで第1フェーズの復旧は終わったわけで、後はまだ復旧していない地域のサポート、まずは鴨川市、そして周辺地域を私としてはサポートしていきたいと思う。
共助の第2フェーズへと突入していく。


[WALK:14048]

最も被害が大きかった大里・八幡神社
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灯籠もこの通り
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大浦・八雲神社の境内の樹木は軒並み倒れた
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社殿の方に倒れたが間一髪直撃は免れた
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境内では炊き出し、物資配布などが行われた
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空にはきれいな十五夜の満月が、いつにも増して輝いて見えた。
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− 2021年7月29日 17時21分 更新 by やまちゃん

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