南房総・鴨川市天津鎮座 | 源頼朝公が伊勢の神宮より御分霊を勧請し創建された八百余年の歴史をたたえる神社

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房州伊勢の宮 天津神明宮 三月の神訓   気負わず 気取らず 無理をせず
禰宜日記
〔2020/04/15〕 セルフ・リスク・トリアージ
一昨日、昨日と風が吹き荒れた空模様はどこへやら、今日は朝から穏やかな天気となった。
私は今日も在宅ワーク。
たまっている仕事をこの際だから、集中して片付けよう。


一昨日、実は鴨川市がちょっとした話題になった。
午前中からお昼にかけて発達した低気圧により大雨がもたらされたことで、市内に土砂災害警戒情報が発令され、一部世帯に避難勧告が出たのである。

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、緊急事態宣言が出され、3密を避ける、との流れの中での避難所の対応。まさにニュースのコラムでも話題になっていた“複合災害”の発生である。
ウェルスポでも避難勧告が出たことに対して、いろいろと話題になっていた。

マスコミももちろん敏感で、実際に数社のテレビ局が避難所に取材に訪れたそうで、NHKラジオ、テレビ朝日のニュース番組などで実際にこの件を取り上げていた。

市の担当部局としても今回の対応は頭を悩ませたことだろう。
ニュースソースによれば、避難してきた人に対して、入館前に体温の測定を実施し、さらにヒアリングをして、新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は入館を遠慮いただく。また、入館後も3密の環境を作らないよう、部屋を分けたりする、という工夫をしたそうである。ほかにもいろいろと対策は打ったようだ。

今回は市内三十数世帯ほどが対象だったので、3密は確かに避けられたかもしれないが、これが例えばもっと大規模な災害となったらどうなるだろう。
特に人口密集地区での避難所開設についてはかなり難しい問題が起こってしまう。

新型コロナウイルスの感染の疑いのある人は入館させない、というのは致し方ないことではあるが、だからと言って、今回で言えば、土砂崩れが起こり、それで死んでしまっては本末転倒となる。
なので、例えば、今回のようなケースの場合は自動車での避難を認めるなり、あるいは隔離用の自動車を用意しておいて、感染の疑いのある人は自家用車または隔離用の自動車で避難所の駐車場で過ごしてもらう、というのは一案かもしれない。

いずれにしても、天災の絶えない我が国において、長期化する新型コロナウイルス禍の中で、地震や風水害などが複合的に起こらないとは限らないし、その可能性は実は高いとも思う。
その場合、どうすればいいのか。
今回の鴨川市の例が一つの考えるきっかけになる。

私は答えは実はシンプルだと思う。
どちらが緊急的に身の危険が迫っているか、どちらが直ちに命に関わる状況なのか、それを比較して判断するしかないと思う。
今回の例で言えば、例えば、土砂崩れが起こりそうな集落に住んでいる人は新型コロナウイルスの感染拡大防止よりも、土砂崩れに対してのリスクがその時点では大きいわけだから、避難するよりほかにないのである。

ただ、行政的には、なかなか難しい面もある。
それで土砂崩れが起こった場合、避難勧告は正しかったと評価されるだろうが、しかし、土砂崩れが起こらず、万一避難所がウイルスのクラスターとなった場合、非難する人も出てくるだろう。

だからこそ、この時点においては、だれのせいとかではなく、もはや自分で自分の身を守らなければならないのである。
どれが一番リスクが高いのか低いのかをその瞬間、瞬間で判断して、行動するしかないのだ。
言うなれば「セルフ・リスク・トリアージ」である。

来たるべき、複合災害を前に、その重要性を認識した。
家族や職場でもこういう場合にはこうしよう、と話し合っておく必要もあるだろう。


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自然の営みは進む
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新緑の季節へ
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遅咲きの桜
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− 2021年7月29日 17時21分 更新 by やまちゃん

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