式年鳥居木曳祭とは?
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二タ間川を渡る第1号木
(平成7年・1995年)
式年鳥居木曳祭(しきねんとりいぎひきさい)とは、天津神明宮で二十年に一度行われている鳥居の建て替え神事です。
式年とは定められた年という意味で、1184年(寿永3年)源頼朝により伊勢の神宮より天照皇大御神(アマテラシマススメオオミカミ)、豊受大神(トヨウケノオオカミ)の御分霊を勧請して創建された当社において、伊勢の神宮の式年遷宮にならい、行われている神事であります。
以前は伊勢の神宮と同じく、社殿そのものを建て替えていたとされていますが、毎回社殿を建て替えるには氏子の負担があまりにも大きく、鳥居の建て替えに代えて行われるようになったと言われています。

御用材には地元の杉が使われます。杉は旧天津小湊町(現、鴨川市天津小湊地区)の町木でもあります。鳥居の建て替えが行われる前年秋(今回は平成26年12月8日)には御用材を山から伐り出す、神木斧始祭(しんぼくおのはじめさい・伐採式)が行われ、一連の神事が始まります。
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天津小学校校庭で行われた出発式
(昭和30年・1955年)
伐り出された御用材は神木送祭(しんぼくおくりさい)の後、町内に安置され、氏子の奉仕により、皮むき・磨きがなされます。
そして、約9ヶ月寝かされた後、建て替えの年の夏、氏子の手によって御用材を数日間かけて天津各町内を曳き巡らし、天津神明宮に曳き納める、鳥居木曳祭(とりいぎひきさい)の神事が行われます。鳥居木曳祭は伊勢の神宮の式年遷宮で言うところの御木曳(おきひき)であり、最も規模の大きい神事です。普段静かな天津の街中ですが、鳥居木曳祭の間は大勢の人たちが繰り出し、熱気と興奮に包まれます。
曳き納められた御用材は鳥居木造始祭(とりいこづくりはじめさい)の後、大工の手によって加工され、同年10月に鳥居として立ち上げられます。
天津神明宮例祭日(毎年10月16日)の前日である10月15日には鳥居通初上棟祭(とりいとおりぞめじょうとうさい)が行われ、翌16日新しい鳥居が聳える中、例祭式が行われます。

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鳥居通初上棟祭(昭和30年・1955年)
天津神明宮の主祭神である天照皇大御神の弟にあたる須佐之男命(スサノオノミコト)が祀られている須賀神社(通称:天王様)においても、あわせて鳥居の建て替え神事が行われます。

今回の鳥居木曳祭は平成27年8月22日(土)・23日(日)・24日(月)の3日間にわたって行われます。
御用材の杉は東京大学千葉演習林の協力により提供され、最大の樹木で胸高直径120cm以上、樹高に至っては50mにも及ぶ、樹齢100年を超える巨木になります。

県内では他に類を見ない奇祭であり、二十年に一度の貴重な機会に氏子はもちろん、市内外の多くの方々にぜひご参加いただきたいと思います。



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天津市街を曳かれる御用木
(大正4年・1915年)

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大勢の人で賑わう町内
(昭和10年・1935年)

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金棒曳の子供達(女子)
(昭和30年・1955年)
■ 式年鳥居木曳祭実行委員会
平成24年末より、式年鳥居木曳祭実行委員会を発足し、祭礼の準備を進めています。
委員構成は下記の通りです。

委員長
寺尾 忠行
副委員長(責任役員)
松原 一夫
副委員長(城戸町総代)
宮野 冨士男
委員(谷町総代)
蔀 一郎
委員(橋本町総代)
田畑 貞夫
委員(仲宿町総代)
金髙 喜一
委員(濱町総代)
栗本 昭
委員(芝町総代)
今井 賢
委員(引土町総代))
鈴木 清
委員(新町・谷町青年)
白鳥 修一
委員(橋本町・仲宿町青年)
高梨 忍
委員(城戸町・濱町青年)
吉野 英男
委員(芝町・引土町青年)
野村 一男
監事(責任役員)
長谷川 昭男
監事(責任役員)
根本 新太郎
会計(責任役員)
金高 一郎
事務局長(禰宜)
岡野 大和
宮司
岡野 哲郎
権神職
柏原 基男
(平成27年5月1日 現在)