南房総・鴨川市天津鎮座 | 源頼朝公が伊勢の神宮より御分霊を勧請し創建された八百余年の歴史をたたえる神社

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房州伊勢の宮 天津神明宮 三月の神訓   気負わず 気取らず 無理をせず
禰宜日記
〔2020/05/06〕 新型コロナウイルス早期鎮静祈願
今日、神道青年全国協議会の働きかけにより、全国の青年神職が、それぞれの神社、家々にて、新型コロナウイルスの早期鎮静化を祈願した。
神職の使命の第一は「祈り」
天皇陛下もそうであるように、我々神職は日々、世の中の平和を祈念し、神明奉仕に勤しんでいる。

全国の青年神職が一斉に祈る。
このパワーは計り知れないと思う。

人によっては、このことを「非科学的」だとか、「祈る時間があるなら、新型コロナウイルスの感染拡大のために、もっと合理的な、具体的な行動を為せ」と揶揄するかもしれないが、私は神道のこの祈り、祓いにこそ、日本人が古来大切にしてきた、自然への畏れ、持続可能な社会のヒントとなる自然との共生、謙虚な姿勢といったものがあるように思う。

科学が万能であったならば、この感染拡大はここまでのものにはならなかっただろうし、そもそも一切の病気は起こらないかもしれない。
しかし、現実には、天災や疫病というさまざまな災いに我々人間は常に直面してきている。ある面から見れば、人類の歴史は、こうした自然の災いとの“戦い”の歴史という見方もできるかもしれない。

だが、日本の本来の考え方はちょっと違う。
我々日本人は自然を征服するのではなく、自然を操るのでもなく、自然の中に融け込み、自然の一部として、あくまでも謙虚におかげに感謝しつつ人生を歩んでいく、毎日の生活を送っていくという文化なのである。
したがって、今回の疫病流行においても、医学・科学の力で病を抑え込む、撃退するというよりも、この流行を「(自らを)祓い(病を)鎮める」というアプローチになる。古来、こうした災いは神々の怒りとも考え、その神々に改めて感謝の意を表し、謙虚な姿勢で鎮めたのである。
これは実はある意味疫学にも通ずるものであり、自らを祓う=自らの心身を清潔に保つ、というのは、感染拡大防止の第一歩でもあると言える。それを古来より、日本人はその感性で「祓い清め」として実践してきたのだ。

人間本位、科学至上主義で考えれば、新型コロナウイルスと戦い、勝利しなければならない。憎き、ウイルスを、人類の叡智で撲滅しなければならない、という考えに至るだろう。
しかし、実は歴史を振り返っても、それは人間のあまりにも身勝手な、自信過剰な見誤りとも言える。

我々人間はまぎれもなく自然の一部である。
自然のおかげに生かされ、育まれている。
その謙虚な姿勢を失ってはならない。
ウイルスもまた実は自然の一部でもある。
もしかすれば、人類の横暴、すなわち「罪穢れ」によって、地球にとってみれば、人類は悪いウイルスに等しいかもしれない。

だからこそ、我々はいまいちど自分たちの立ち位置をしっかり見つめた上で、ウイルスを「やっつける」のではなく「鎮める」という努力をしなければならない。

今日の祈願はそんな思いで祈らせていただいた。



新型コロナウイルス早期鎮静祈願詞(作文)
此れの神棚に設け奉る御社に鎮まり坐して 日々此れの家 更には此れの郷内 国々を守り幸へ給へる 掛巻も畏き 天照皇大御神 天津神明宮に鎮まり坐す大神等 産土大神を始めて 八百万大神等の 御前を拝み奉りて 恐み恐みも白さく
先つ頃より 新型コロナウイルス感染症なる 怪しき病の流行り起こりて 郷々 国々の人々 皆苦しみて在るが故に 最早 大神等の 高き厳しき 御神威を以て 一日も早く 此れの災ひを 祓ひ退け給ふ事を 願ぎ奉らんとして 今日の生日の足日に 親族家族 参列みて 誠心の唯一筋に 拝み奉る状を 平けく 安けく 聞食して 大神等の 明き清き 御光を 悩むる全ての人々 国々 郷々の上を照らし給ひて 諸々の禍事 罪穢れ在らむをば 科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く 朝の御霧 夕の御霧を 朝風夕風の吹き祓ふ事の如く 気吹祓い退け給ひて 神祓ひに祓ひ給ひ 見直し聞直し給ひて 此れの災いを 迅く速やけく 祓ひ給ひ 鎮め給へ 此れの病を 収むるべく 日々尊き使命に 勤しみ励む 医師を始めて 諸々の人々に 大神等の 高き厳しき 御神力を 授け給ひて 諸々の災厄在らしめず 医師の術 著く輝き 世の人々を助けしめ給へ 全ての人々 身に病しき事無く 心に煩しき事なく 心を合はせ 力を一にして 明るき未来を 拓きしめ給ひ 大き幸を授け給ひて 互に睦び和みつつ 平穏なる世に為さしめ給へと 謹み敬ひ 畏み畏みも 乞祈み奉らくと白す


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− 2020年5月6日 16時24分 更新 by やまちゃん

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